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名古屋発「都市型ウェルネスツーリズム」
観光資源を再発見 横断的に魅力伝える

2023. 04. 21

名古屋の中心地・栄エリアにある立体型公園オアシス21。水をたたえたガラスの大屋根(水の宇宙船)、芝生広場(緑の大地)、バスターミナル、イベント広場(銀河の広場)、ショップなどからなり、憩い・賑わい・ふれあい・集う都心のオアシスとなっている。栄エリアでは、ラグジュアリーホテルの開業も予定。

名古屋の中心地にある久屋大通公園で早朝にヨガをして、名古屋港水族館の大水槽で泳ぐイワシ35,000尾の大群を眺めてリラックス、栄養豊富な名古屋コーチンの「なごやめし」を食べてから、ラグジュアリーなホテルで夜景を見ながらゆっくりと過ごす……。

史跡や施設をめぐるのだけではなく、健康づくりと観光をあわせた都市型の「ウェルネスツーリズム」を名古屋市が進めている。22年4月に新しい観光ブランドとして「Wellnestyle NAGOYA」(ウェルネスタイル ナゴヤ)を立ち上げた。

ウェルネス (wellness)とは、健康をより広く捉え、「病気ではない健康な状態」を示す「ヘルス(health)」に、楽しみの要素も加えた概念。コロナ禍で健康や充実したライフスタイルへの需要が高まる中、ウェルネスツーリズムは、心身の癒やしや、明日への活力を得る旅行として世界中で注目されている。

名古屋の繁華街・中心地にある久屋大通公園内のテレビ塔エリアと北エリアに2020年オープンしたHisaya-odori Park。全国の人気店をはじめ、飲食・物販あわせて40店舗が出店し、日常的な憩いの場としての役割から、ファッション、スポーツ、グルメ、コミュニケーション、リフレッシュなど公園と店舗が一体になった多彩なサービスを提供している。

具体的な取り組みとして名古屋ウィメンズマラソンの参加者が泊まるホテルで、マッサージ付きのプランを提供したり、地図に示された観光施設や飲食店などを制限時間内にどれだけ訪問できるかを競うスポーツ「ロゲイニング」に再訪したくなるような仕掛けを作ったりするなど、ウェルネスをテーマにした企画を実施した。名鉄観光サービスが、ランニング・ウォーキングMAP付きの宿泊プランや、座禅体験やお茶体験などで心とカラダを整える日帰りプランを「Wellnestyle NAGOYA」が推奨する商品として販売し、参加者から好評を得ている。

名古屋市の人口は約230万人。政令指定都市の中で3番目の大都市だ。都会的で、製造業が盛んなモノづくりのまちという印象もある名古屋が、なぜ健康や美容を切り口とした旅の提案をはじめたのか?

名古屋という「場」をよりシンプルに、多様性を受け入れ「心身ともに健康にイキイキと美しい体験ができる場所」として表現したブランドロゴ。ウェルネスツーリズムに関連する商品などに掲載し、プロモーションに活用していく。(公益財団法人 名古屋観光コンベンションビューロー提供) 

名古屋観光コンベンションビューローの杉﨑正美理事長は、「歴史を紐解くと、徳川家康が長寿だったのは八丁味噌や酢など発酵食品を食していたからという説があることや、名古屋城内には日本最古の薬草園があったり、高たんぱく低カロリーの鶏、名古屋コーチンがあったりすること。また、健康にいいサウナ、スーパー銭湯の発祥の地であるなど、名古屋は昔から健康や美容に対しての意識や質が高い地域なのです」と語る。

名古屋の観光といえば、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の三英傑ゆかりの名古屋城、三種の神器の一つである「草薙剣」がまつられている熱田神宮などの歴史や、日本で最も飼育種類数が多い東山動植物園、「なごやめし」と呼ばれる食文化など、全国的に有名で人気の場所が多くある。それぞれの観光資産を「健康・美容」をテーマとしてプロモーション展開することで、ストーリー性を持たせ、リピーターを増やそうという試みだ。

ポストコロナを見据え、「新しい名古屋を発見」する新たな都市型観光として「Wellnestyle NAGOYA」(ウェルネスタイル ナゴヤ)という名称でブランド構築。

名古屋市が行った「観光客・宿泊客動向調査」によると、名古屋市の観光客数は2018年に約4,729万人、2019年約4,999万人(コロナ禍の2020年約2,211万人、2021年約2,330万人)で推移している。ただ、観光消費額に目を向けると、2018年の消費額は約3,958億円、2019年は4,268億円。1人あたりの消費額は日帰りで8,876円(2021年)と低い水準にとどまっている。

「名古屋は、滞在して楽しめ、活力をもらえる地域だということを多くの方に知っていただきたい。そのためには、ホテルや鉄道、観光関連のみなさんを始め多くの企業と官民あげて取り組むことが重要です」(杉﨑理事長)。

名古屋発の「都市型ウェルネスツーリズム」は、地元企業とともに魅力ある名古屋の発信、商品づくりをしていくキーワード。観光客、そして市民の健康と幸せとともに、経済振興もめざす名古屋市の取り組みに注目したい。

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